特攻隊に入りたかった。
ぼくも
みんなと同じように
健康な体で
お国のために戦って
この命を天皇陛下にさし上げたかった。
友人の多くが特攻隊に志願し、
もうすでに神になっている友人もいる。
「なんでや。」
そう思っている中
終戦を迎えました。
16歳の時です。
「自分はお国のために役立てなかった。
中途半端に生きているのがつらい。」
父は、そう思いながら
生き生きと生きることもできず
かといって
自害もせず、
仮面のような顔で
区役所の仕事をしていたそうです。
そんなある日、
京都の街角に貼ってあったキリストの言葉を目にします。
どんなことばか
父が亡くなった今、聞き出せませんが
幼いころこう言ってた記憶があります。
「どんなひともなあ、
値打ちがあるんやて。
キリストさんは教えたはるんや。」
どんなひとも
一人残らず、・・・・?
ぼくに価値があるっていうのか?