本日は、ガブリエル・フォーレ作曲の「ラシーヌの雅歌」をお届けします。
フォーレ作曲「ラシーヌの雅歌」
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この曲を初めて聴いた時、
そのメロディーの透き通ったこと!
安らかであまりにも清らかなメロディーに心を奪われてしまいました。
目をつむれば、
ピレーネの白い山々とお花畑が浮かんでくるような、
風の香りや、清らかな谷川のせせらぎが心に浮かぶような、
そんな幻想に浸ってしまうようなメロディーです。
この曲の作曲者は、
抒情的なことでは他と一線を画す「レクイエム」(死者のためのミサ曲)
を作曲したことで有名な、
フランスの音楽家 ガブリエル・フォーレ(1845~1924)です。
フォーレは、声楽を学ぶ学生たちの練習曲として、
この「ラシーヌの雅歌」を作曲したといわれています。
この雅歌には、17世紀の詩人 ジャン・ラシーヌによる、
神をたたえる詩編が、歌詞としてうたわれています。
教会でこの雅歌がうたわれるとき、
涙を流す人が多いのもうなずけます。
歌詞の日本語訳は次のとおりです。
「いと高きところのお方と等しき言葉 われらが唯一の希望
永遠の光なるお方 地上とそして天界の
静かなる夜に われらはその静寂を破りましょう
神なる救い主よ われらが上にその眼差しを投げかけ給え
われらの上に注ぎ給え 力強き恵みの炎を
あらゆる苦しみが御身の声の響きで逃げ去りますように
眠りを追い払い給え 魂の苦悩の眠りを
それは御身の掟を忘れさせるものなれば
おおキリストよ!慈しみ給え この忠実な民を
御身を讃えんと 集まりし民を
この賛歌を受け取り給え 御身の栄光をたたえる歌を
御身よりの贈り物への返礼たるこの歌を」
歌詞を見ると
キリスト教の聖歌ですが、
キリスト教のことを知らなくても、
心に直接響く独特の旋律のあるこの歌は、実に不思議です。
おそらく、この曲を作った人も
この曲の詩を書いた人も
苦しいこと、悲しいこと、いろいろなことがあった真っ最中に
絶対に消えることのない夢や希望を感じ、
そして、感じたまま、ピンときたままに作ったのでしょう。
だからこの曲の中には
夏になってもしおれることなく
冬になっても枯れることのないお花畑が
インストールされているのではないかと思う次第です。
このオカリナ演奏は、アマゾンキンドルの拙著
「光の海へ~しあわせよーそろー
詩とオカリナ演奏でつづる いのちと希望のことば」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00C2A2FRC
に収録しております。
フォーレ作曲「ラシーヌの雅歌」
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