やっと神父になる道が開かれた
修練生活のある日
父は
突然解任されます。
こんどこそ
この
死に損なった命を
役に立てたいと思ったのに・・・・
また父は歯ぎしりしました。
「このいのち
ささげたいのに捧げられない。
生きることは何なんだ。
恥を忍んで生きろというのか。
恥じまみれで生きろというのか。」
その後父は、
働きながら夜学で大学を卒業し、
教師になり、
お見合いの話が突然あって
母と結婚しました。
父は
命をささげられなかった代わりに
二人の男子が生まれました。
一人が私です。
特攻隊に行けなかったから
神父になれなかったから
その代わりに私が生まれました。